私は香水好きである。
今でこそ衝動買いはしなくなったが、填りたての頃は生まれて半年の赤ん坊を抱いてまで、名古屋市の中心街のデパートにまで買い漁りに行ったものである。
ところでその香水、同人作家にはいたって美味しいアイテムである。
香水の名前だけを使うも良し、キャラの性格にマッチした香りを選ぶもよし、残り香や移り香として使ってもグーである。
とにかく、主役脇役どっちもござれの便利グッズなのだ。
さて、そんな便利アイテムだが、だからこそ多くの香りを知りたいと思うのが同人作家としての性である。
だが、発売されている香水をすべて手にいれることは絶対に不可能だ。
そんな予算があるなら、オフセットで本を発行したいものである（爆）
だが、お話を書くなら欲しい！　でも買えない……こうしてジレンマに陥るのである。
そこで助かるのがテスターの存在だ。
大抵の販売店では香水のテスターが用意してあり、香りを確認できるのである。
テスターがなくても、店員さんにお願いすれば香りを確かめさせてくれる。
服を試着して買うように、香りも自分の想像通りのものなのか否か、合うか合わないかを見定めなくてはならないものなのである。
ただし、あくまでもより多くの香りを知ることを目的としているので購入はしない。なので強烈な「買ってね」光線を発する店員さんを曖昧な微笑で誤魔化す度胸も必要である（爆）
さて、最近私は思った。
それなりに同人アイテムとして使っている香水だが、よくよく考えてみると私は我が愛すべきヒロイン「リーフェ」には香水を与えていないのである。
いや、作中ではロイエンタールが彼女にプレゼントしたという下りをさり気なく入れてはある。が、「これ」という香りを設定してはいないのである。
ここで、悩みが生じた。
リーフェに似合う香りはなんだろう？　と。
甘くて、優しくて、でも凛として、厳しさも持ち合わせ、ちょっとミステリアスでゴージャス……これが私の思い描くリーフェのキャラク　ター像だ。
しかし、こんななんでもござれの香りが果たして存在するのだろうか？
いてもたってもいられなくなった私は、思い立ったら吉日でダイエーまで自転車をかっ飛ばした（笑）
なんの考えもなしに行ったわけではなく、一応予備知識を仕入れて行った。確認したい香りは三種類。
イブサンローランの「ベビードール」と、ニナ・リッチの「ベル・ドゥ・ミニュイ」、そしてダナの「ドリームズ・バイ・タブー」である。
ベビードールはどちらかというと、ダグが生きている頃のリーフェに似合う香りだと思った。キュートで小悪魔っぽいフルーティーな香りなのだ。
さて、「現在」のリーフェに合う香りはというと……
「ベル・ドゥ・ミニュイ」と「ドリームズ・バイ・タブー」、どちらも甲乙つけがたい。
「ベル・ドゥ・ミニュイ」は甘くて濃厚な中にもどこかキリっとした香りが漂い非常にそそられる。
「タブー」の方は、優しくてスッキリした香り。お風呂上がりと就寝前に是非つけたいと思わせるものである。ネーミングもナイスだし（笑）
毎日つけるなら「タブー」で、「ベル・ドゥ・ミニュイ」は女の勝負時に！　という感じもする。
が、相手はあのリーフェである（爆）　常識的な物差しでははかれない。
彼女なら、毎日が「ここぞというときに！」でも一向に構わないのである。
というわけで、私はまだ迷っている。
ところで、ロイエンタールならどちらの香りが好みだろう？
やはりここは彼の好みに任せるのが手っ取り早いかもしれない。
ちなみに彼はリーフェに中に優しさを一番多く見ている。と言うことは優しい「タブー」だろうか。しかし二人の関係を考えると……
結局、更に悩むことになるのである。　
ネーミングだけを考えればだんとつ「ベル・ドゥ・ミニュイ」……
真夜中の美少女という意味なのだそうだ（笑）