そんなこんなで、同人屋として活動しはじめた私だが、実は自分の文章が気に入らなかった。書きたいことを納得できる文章で書けないのだ。
４００枚にも及ぶ原稿を書き上げておきながらおかしなものだが、書けば書くほど、自分の思い描く世界とはかけ離れていくのである。
特にオリキャラが難しい。いや、考えようによっては書きやすいはずである。なんといっても、自分が作り出したキャラなのだ。好きなように動かせばいいのである。が、どうも上手くいかない。
そのオリキャラこそ、我が愛すべき「ヘネラリーフェ・セレニオン」である。が、現在の彼女とは趣が些か違う。
まず、髪の色が違うし、当初は帝国側の人間として設定していた。そう、一番安全な副官ストーリーである。
ただし、ロイエンタールの性格を考えた場合、即彼の副官にというのは無理がある。私は苦渋の末ミッターマイヤーの副官にした。
が、ここで私の意地悪い性格が発揮される。私という人間は、話しを簡単にハッピーエンドにしたくない人間なのである。
私は、波瀾万丈紆余曲折の上でハッピーエンドにした方が、有り難みがでるし、臨場感も出るだろうという考えでストーリーを作る。言い換えれば、ハッピーエンドにするならそれまでの過程に何があっても構わないという鬼畜人間なのだ（爆）　無論、流血ＯＫである。
ところが、副官リーフェだと、いとも簡単にハッピーエンドになってしまうのだ。これはマズイ、これではいけない。悩むうちに、スランプに陥るのは当然のことであった。
さて、そんなときに旦那が単身赴任で高崎に行ってしまった。自分の時間だけはたっぷり持てるという点においてはラッキーだと思えるが。小さな子供をかかえて、しかも上は小学校、下は幼稚園にそれぞれ入るという環境が激変する年ということで、私は少々ブルーになっていた。
そんなときに、若菜さんが私をヤマパに誘ってくれたのだ。
前年までの私なら予算のこともあり断っただろう。だが、その年は違った。旦那が高崎にいるのだ。
ヤマパの開催地は埼玉県和光市……　同じ関東圏だ。だが、やはり子供を二人連れて東京なんて無謀かなとも思う。悩む私の背中を押したのは旦那の「来ればいいじゃん」という言葉だった。これで心は決まった。
こうして、私は二度目となるヤマパに参加したのである。
小さな子連れの私を手伝ってくれた若菜さんには、いくら感謝してもしきれないだろう。
そしてもうひとり……　そこで出逢った人に、私は足を向けては眠れないと思っている。
余談だが、１９９９年の私は凄かった。オフ三昧だったのだ。しかも子連れで……（^^;;）
ヤマパｉｎ埼玉県和光市、高山、四国、神戸、伊豆×２、高崎×２、越後湯沢×２、冬コミ……
その殆どに若菜さんとヤマト会議室のメンバーが関わっているのが笑える（笑）
ちなみに高崎と越後湯沢は旦那に会いに行った時のものなので、パソ通とは関係ない。
ただし、原稿締切日と高崎行きが重なっていたことがある。（笑）
ハッキリ言って、もう二度とあんなのはご免である。まったく最悪のハードスケジュールだった。
数日前からほとんど寝ないで原稿に勤しみ、前夜は完徹。プリントアウトが終わったのは当日午前７時。荷造りもできないまま、下の子の運動会！！　運動会の最中、原稿のミスを思い出す（爆）
帰宅して、旅行の荷造りをしながらミスの修正。
原稿と荷物と子供を抱えて新幹線に飛び乗り、五時間かけて高崎へ……高崎で私の同僚一家とドンチャン騒ぎ（笑）
宴会終了後、酔っぱらった旦那のかわりに「完徹明け」の私の運転で関越自動車道を一路越後湯沢へ（火暴）
宿に到着後、爆睡する旦那と子供を後目に意識朦朧としながら原稿のノンブル打ち。翌朝、宅急便で発送……　そのままホテルのカウンターに突っ伏したことは言うまでもない（^^;;）実に充実した日々だった（爆）
そんなハプニングもあったものの、なんにせよ旦那がいなくてブルー？　どこが？　と、仲間内は思っていたことだろう（爆）
私も十二分に羽根が伸ばせたと、今では思っている（笑）