私がヤマトのフォーラムに出入りし始めた頃、話題はやはり富山敬さんの逝去に関するものが多かった。
当然、彼の過去の作品についても色々語り明かされている。
その中に「銀河英雄伝説」があった。
アニメは好きだが、短大に入った頃から遠離っていた私が、テレビで放映されていたものならともかく、ＯＶＡであるそれを知るはずもない。
よく目にした文字は「ヤン」である。どうやら富山敬さんが「銀河英雄伝説」というアニメの中の「ヤン」という人の役をやっていたのだということだけは私にもわかった。が、知り得た情報はそこまでである。
アニメと言えばテレビと思っていた私は、当時ＯＶＡの存在を知らず、結果的に銀河英雄伝説というアニメを探し出すことは出来なかったのだ。
結局「銀英伝」「ヤン」というキーワードだけが私の記憶層に刻み込まれただけで、その時は終わった。だが、やはり縁は異なもの不思議なものなのである。
それから数ヶ月後、上の子の入園準備に追われていた私は、見もしないテレビを消すことさえ煩わしく、つけっぱなしのままミシンに向かっていた。耳に入ってくる音声に敏感に反応したのは、やはりヤマト好きの血だろうか。見なくてもわかる戦闘シーンのSE……私は咄嗟にテレビを見た。
その時点で、そのアニメが何なのかを私は当然知らない。が、なんとなく「ひょっとして、これが……」という予感めいたものが確かにあった。
予感が確信に変わったのは、やはり富山敬さんの声である。
思えば、声優さんを意識しはじめたのはヤマトからである。そのヤマトの主役を努めた富山敬さんの声は、私にとっては別格。つまり、絶対に聞き間違えない、そして聞き逃さない声なのだ。
これが、私と銀英伝との記念すべき出逢いである。
それからは、毎日銀英三昧だった。が、無料放送は無情にも第二期までだったのだ。第三期からは、WOWOWと契約しなければ見られない。
が、捨てる神あれば拾う神ありである。何気なく立ち寄ったレンタルショップで私は銀英のビデオを見つけることができたのだ。
そして、レンタルショップに通いつめる日々が始まることになる。
銀英伝のビデオ上映は旦那まで巻き込んで、毎夜行われれた。
余談だが、その後銀英には旦那もしっかり填ってくれた。おかげで我が家の夫婦の会話には銀英がしっかり入っている。
長野オリンピックの女子スキー競技にタチアナ＝ミッターマイヤーという選手が出場していたことを覚えているだろうか？
我が家ではその時、
「ミッターマイヤーって早いの？」
「みたいだよ〜〜、どうも世界選手権の優勝者らしい」
「さすが疾風」
という、心温まる（？）会話が展開されていたほどである（笑）
その後も、ことあるごとに銀英の台詞が夫会話に入ってくるという、ちょっと笑える夫婦なのだ（^^;;）
それはさておき私と旦那は、三期の後に一期と二期を見直し、旦那にいたっては原作本も手に入れて読破した。申し訳ないが、私は原作は斜め読み、しかも９巻から先はミーハーロイエンタールファンには辛すぎる展開の為、いい加減にしか読んでいない。
できることなら読みたくなかったが、同人をやるためには読まないわけにもいかず、半狂乱になって読んだことを思い出す（爆）
夫婦して填った結果、ＬＤ−ＢＯＸまで手に入れる羽目にもなった。もの凄い投資である。が、これも愛故に……である（爆）
もっとも、あまりにロイエンタールに感情移入するあまり、購入後二年たつというのに、私は未だに四期が見られないままである（爆）
ちなみに、宇宙戦艦ヤマトのＬＤも全作揃っているのは言うまでもない。